第309回巡検 「野火止用水に沿って~清瀬から新座へ~」のご案内
実施要項
今年度の秋季巡検として「野火止用水に沿って~清瀬から新座へ~」地理巡検を実施します。
野火止用水は玉川上水の小平の分水口から約24㎞を自然流下して柳瀬川・新河岸川に注ぐ用水路です。江戸期の承応4年(1655)に川越藩主であった松平伊豆守信綱によって開削され、野火止台地では新田の開発・灌漑用水・水車への利用や生活用水などとして約300年の間利用されてきましたが、時代とともに用水を取り巻く環境も変化し、昭和48年(1973)に用水の流れは途絶えました。しかし、「再び野火止用水に命を」という声が高まり、昭和59年(1984)から多摩川上流水再生センターからの高度処理水を活用した清流が復活しています。
今回の巡検では清瀬市では南西部の病院街の変貌、新座市では野火止用水の構造や水路の様子や平林寺など野火止用水の下流部について見学します。 結核は明治から昭和20年代にかけ、都市化と工業化に伴って蔓延し、戦後も昭和25年までは死因の第一位となっていました。当時の結核治療法としては「新鮮な空気・栄養・安静」を主軸とする自然療法が中心で、その治療施設には広い敷地が必要とされました。広大な雑木林の土地が残されていた清瀬南西部の一角に、昭和6年(1930)に建てられたのが東京府立清瀬病院です。その後、周辺には林を切り拓いて数多くの結核療養所や結核回復者を支える後保護施設などが建設され、結核病床の最も多かった昭和30年頃には、清瀬だけで15施設に病床数は5千に及んだとされます。しかし、ストレプトマイシンなどの抗結核治療新薬の開発やペニシリンの国内生産開始などに伴い治療法は化学療法中心へと変化し、昭和35年以降には患者数は減り始めました。そのため、昭和40年代になると結核療養所だけでは施設の維持が成り立たず、一般病棟やリハビリや高齢者施設、住宅用地などへの転換がみられるようになりましたが、結核が不治の病と呼ばれていた時代から、清瀬には結核と闘ってきた歴史が刻まれています。
川越藩主の松平伊豆守信綱には大河内松平家菩提寺の平林寺を岩槻より現在地への移転を企て、寛文3年(1663)、その子輝綱が遺志を継ぎ、寺の移転とともに父信綱をはじめとする一族の墓の移転・改葬を行いました。境内の総門、山門、仏殿、中門などは県の有形文化財に指定されており、武蔵野の面影を残して野火止用水の分水が流れる約13万坪の境内林は国指定天然記念物となっています。また、総門の向かい側にある旧高崎藩隅屋跡には睡足軒の森があります。平林寺境内林の紅葉も美しくなる時期かと思われます。お誘いあわせの上、奮ってご参加ください。
※雨具・飲み物などをご準備のうえ、歩きやすい服装・履物でご参加ください。
※現地には携行した弁当の昼食に利用できる広場や公園はありません。昼食には平林寺総門近辺の有料飲食施設(たけ山・さか重・睡足軒の森駐車場売店など)をご利用ください。
実施要項及び申込書はこちらから
ダウンロード下さい。
期日
令和元年 11月17日(日) 徒歩巡検(雨天実施)
集合場所・時間
西武池袋線 清瀬駅 南口地上階 午前9時
解散場所・時間
JR武蔵野線 新座駅 午後3時30分頃(予定)
案内者
瀧山 宏明 先生(元学習院中等科)
参加費用
1,000円(含 資料代・平林寺入山料)
参加費用は当日集めます
コース概要
清瀬駅南口 → 市立中央公園・清瀬病院記念碑 → 複十字病院 → 救世軍清瀬病院 → 東京病院 → 清瀬松山緑地保全地域 → 野火止橋 → 西堀・新堀コミュニティーセンター → 本多緑道 → 新座市民総合体育館 → 本流掛樋 → 隅屋敷橋 → 平林寺堀築樋 → 平林寺総門・睡足軒の森 → 陣屋堀築樋跡 → 平林寺境内 → 伊豆殿橋 → 野火止緑道 → 西分集会所 → 山下橋 → 野火止公園・用水路開渠最終地点 → ふるさと新座館(直売所)→ 新座駅
※歩行距離は約12㎞です。ただし、平林寺境内の見学は含みません。
参加申し込み
● 「申込締切」 11月7日(木)までに、下記申込書を郵送・ファックスで送付して
ください。(期日厳守でお願いいたします)
※下記申込書の内容が明示されていれば、Eメールでの申込も可能です。
● 「申 込 先」
〒358-0011 埼玉県入間市下藤沢586-16 TEL・FAX 04-2964-0969 東京私立中学高等学校地理教育研究会(私地研) 会長 横山 満
※問合せ先:携帯 090‐7018‐5493 Eメール m61.yokoyama@gmail.com
今後の巡検予定
回数 | 巡検名(仮) | 実施日(予定) | 案 内 者 |
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※巡検内容は変更になる可能性があります。
過去の巡検
過去に実施した巡検については、こちらをご覧下さい。
回数 | 巡 検 名 | 実 施 日 | 案 内 者 | 参加人数 |
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301 | 奈良・飛鳥地方 | 2018.03.28~03.31 | 下山英則 (芝浦工業大学附属中高) |
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300 | 上野周辺 | 2018.01.08 | 木村昌一 (女子学院) |
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299 | 新潟県-中越地方- | 2017.12.25~12.28 | 横山 満 (元東星学園) |
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298 | 筑波山周辺地域 | 2017.10.29 | 森 秀雄 (元高輪学園) |
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297 | 諏訪盆地から山梨へ -絹と水、そして硯を尋ねて- |
2017.08.03~08.06 | 柏倉康成 (女子聖学院) |
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296 | 新緑の那須疎水を巡る | 2017.06.18 | 横山 満 (元東星学園) |
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295 | 真田一族ゆかりの地を訪ねる | 2017.03.27~03.29 | 庄田正宏 (元巣鴨学園) |
7 |
294 | 築地市場周辺 | 2017.01.09 | 柏倉康成 (女子聖学院) |
18 |
293 | 新潟県-下越地方- | 2016.12.25~12.27 | 横山 満 (元東星学園) |
9 |
292 | 靖国神社と江戸城を歩く | 2016.11.20 | 寺尾隆雄 (大妻中高) |
23 |
291 | 新緑の野川源流部のハケ下湧水と武蔵国分寺跡を訪ねる | 2016.05.29 | 瀧山宏明 (元学習院) |
24 |
290 | 富士山麓世界遺産と岳南地域 | 2016.03.25~03.27 | 横山 満 (東星学園) |
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289 | 浅草界隈 | 2016.01.11 | 木村昌一 (女子学院) |
22 |
288 | 阿賀野川流域 | 2015.12.25~12.28 | 横山 満 (東星学園) 旗野秀人 (新潟水俣病安田患者の会事務局長) |
13 |
287 | 取手駅周辺を訪ねる | 2015.11.01 | 多田智實 (元攻玉社学園) |
14 |
286 | 東北・北上盆地南部と津軽地方 | 2015.08.04~08.08 | 柏倉康成 (女子聖学院) 寺尾隆雄 (大妻中高) |
16 |
285 | 環状2号線-築地から豊洲- | 2015.05.31 | 柏倉康成 (女子聖学院) |
16 |
284 | 静岡県西部 | 2015.03.25~03.28 | 横山 満 (東星学園) |
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283 | 虎の門界隈 | 2015.01.12 | 山田喜一 (文京学院大学) 横山 満 (東星学園) |
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282 | 能登半島 | 2014.12.25 ~12.28 |
横山 満 (東星学園) |
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281 | 新大久保界隈 | 2014.11.16 | 柏倉康成 (女子聖学院) |
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280 | 東村山周辺の史跡と八国山緑道を訪ねる | 2014.06.01 | 瀧山宏明 (元学習院) |
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279 | 福島県・茨城県の東日本大震災被災地域 | 2014.03.25 ~03.29 |
横山 満 (東星学園) |
12 |
278 | スカイツリー周辺 | 2014.01.12 | 五月女圭三 (渋谷教育学園幕張) |
12 |
277 | 丹後地方 | 2013.12.25 ~12.28 |
横山 満 (東星学園) |
13 |
276 | 紀尾井坂周辺 | 2013.11.03 | 寺尾隆雄 (大妻中高) |
29 |
275 | 東北地方・日本海側 | 2013.08.07 ~08.11 |
柏倉康成 (女子聖学院) 寺尾隆雄 (大妻中高) |
15 |
274 | 大塚・巣鴨・駒込の旧跡を訪ねる | 2013.06.09 | 庄田正宏 (巣鴨学園) |
12 |
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只今、準備中。